2021.11.26
目次
自己承認力とは、自分自身を認める力のことです。
自分自身を認めることができれば、自信が持てます。
自信が持てれば、自分で考えて行動することができます(自律型人材)。
また、自己承認力が高い人は、他の人を認めることもできるため、周りの人をイキイキと輝かせることができます。
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『“人に迷惑をかけるな”と言ってはいけない』
本屋さんで、その題名に目を奪われ、思わず本を手に取りました。
どういう意味?
2歳と5歳の子供を持つ父親(筆者)としては、とても気になりました。
その本は、学習塾の講師で、吉本興業ホールディングスの社外取締役でもあり、映画化された大ベストセラー「学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話」(通称:ビリギャル)の著者である、坪田信貴さんが書かれた本でした。
≪関連リンク≫坪田信貴さんオフィシャルブログ
この本の中では、“コトバ”が自己承認力に与える影響について、とても興味深い内容が書かれていました。
子育てに主眼を置いた内容ですが、「メンバーを育成したい(自律型人材が欲しい)」「職場の雰囲気を良くしたい」と思っているリーダーにも役立つ考え方が満載でしたので、特に印象に残った3つのことをご紹介させて頂きます。
例えば、算数のテストで、子供が低い点をとって帰ってきたとします。
心配になったあなたは、不機嫌そうに「あなたは本当に算数が苦手だよね」と口にしました。
すると、子供は「そうだ、自分は算数が苦手なんだ」と思い込んでしまうそうです。
さらに、親が怒りの表情を見せたり、ため息をついたりすれば、親から否定的なイメージが伝わり、しゅんとして「自分はダメだんだ…」と感じてしまう。
これは子供に、ネガティブなラベルを張り付けてしまっていること(ラベリング)になるそうです。
これでは自己承認力は下がる一方です。
では、どんなコトバに変えればよいのでしょうか?
「ここが難しかったね」
「ここをやり直せば次は大丈夫そうだね」
こんなコトバなら、自己承認力を下げずに、次の行動を促せそうですね。
メンバーが仕事で失敗した時にも使えそうです。
例えば、親同士で会話をしていたとします。
相手の子供を褒めたくて「〇〇さんのお子さんは、頭が良くて、運動もできて、すごいですね~。うちの子なんて…」と、ついつい自分の子供を、引き合いに出してしまうことはないですか?
でも、これを聞いた子供は、どう思うでしょう?
「親が自分のことを、“劣っている”と言っている」と感じ、自己承認力を落としてしまうのではないでしょうか?
私は小学生の頃、父親が人前で「愚息で…」と言ったシーンを、複雑な感情と共に鮮明に覚えています。
(後で、フォローをしてくれましたし、恨んでいるわけではありません(笑)。父親とは今も仲が良いです。)
日本では、謙遜の一種として許されがちですが、海外でこれをしたら虐待と言われるそうです。
自分の持ち物で謙遜するのならまだ良いのですが、子供は親の所有物ではありません。
自分とは違う人格を持った人間です。
仕事でも同じことが言えそうです。
社外で謙遜して、「うちのメンバーには、御社のような優秀な人材が居なくて…」などと言ったりしていませんか?
それよりも、胸を張って「うちのメンバーは、みんな優秀で…」と言ったほうが、それを聞いたメンバーのやる気が出ますよね。
例えば、子供を叱らなければならない場面があったとします。
この本の題名にもある通り「人に迷惑をかけるな」と言ってしまいそうです。
でも、そんな時は「迷惑はお互いさま。困っている人がいたら助けよう。」と言ったほうが良いそうです。
「〇〇するな」というネガティブな声がけは、思考や行動を制限してしまいます。
一時的に子供を思い通りにできるかもしれませんが、本人の主体性が奪われてしまい、決してワクワク感は生まれません。
一方で「〇〇しよう」というポジティブな声がけであれば、どうでしょう?
本人の主体性を引き出せて、ワクワク感が生まれそうです。
本の中で、ビリギャルとの志望校を決めた時の対話が書かれていましたので、紹介させて頂きます。
さやかちゃん(ビリギャル)は、金髪で制服も派手なギャルでした。
そのさやかちゃんに「志望校どうする?」と聞いたら
「大学の名前とか知らないし、わかんない」と返ってきました。
「東大って知ってる?」と聞くとさすがに知っていました。
でも、「分厚いメガネかけて、シャツもインしちゃってて、ダサい男しかいないからイヤだ」って言うんですね(100%偏見ですけど)。
でも、この答えで僕はさやかちゃんの価値観をうかがい知ることができました。
「じゃあ、慶應はどう?慶應ボーイって聞いたことない?」と聞くと
「聞いたことある!イケメンでしょ?櫻井翔くんでしょ?」
さやかちゃんの目に少し輝きが見えました。
「慶應目指す?」
「でもすごい頭いいところでしょ。さやか超バカだよ。みんな絶対無理だって言うよ。慶應目指すなんて言ったらバカにされるに決まってる」
「じゃあさ、そんな君が慶應に受かったら、超ウケない?」
「超ウケる!」
さやかちゃんは笑い出しました。
それで慶應を目指すことに決めたのです。
その後の結果は、皆さんもご存じの通りです。
もしもこの時の声がけが、「〇〇するな」というネガティブな内容だったらどうでしょう?
「××大学は偏差値が高いから目指すな」
「××大学を目指すなんて言ったら、バカにされるからやめとけ」
こんな声がけでは、決して慶応大学を目指すことは無かったと思いますし、他の大学を受験しても、合格は厳しかったのではないでしょうか。
「イケメンが居る大学を目指そう」というポジティブな声がけが、さやかちゃんをワクワクさせ、主体性を発揮させた結果、慶応大学の合格という“超ウケる”偉業を、成し遂げたんだと思います。
・「〇〇が苦手だね」というラベリング
・「うちの子(メンバー)なんて…」という謙遜
・「〇〇するな」というネガティブな声がけ
無意識のうちに使っているこんなコトバが、相手の自己承認力を下げ、判断力と行動力を奪ってしまっているのかもそれません。
・「難しかったね、次は〇〇に注意したら良さそうだね」
・「うちの子(うちのメンバー)はすごい」
・「〇〇しよう」
私も、未来の可能性を開くコトバで、息子たちの自己承認力を育んでいきたいと思います!
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